映画について

見た映画の感想を雑に書き綴ります。ネタバレに対する配慮しない。見てねってより自分向け見た人向け やる気がないのでお休みしてます

スイスアーミーマン

Hidden Figuresより前に見たけどやっぱり書きたくなったので書く

 

今年見た映画の中で一番好みの映画だった

おもしろい映画好きな映画いっぱいあったけど、好みで言えばスイスアーミーマンが一番だった。というか、スイスアーミーマンで自分の映画の好みを自覚した。感謝ですね

 

あと、これダニエル・ラドクリフが出演してなかったら日本公開もきっとなかったから、その点も感謝ですね。公開劇場が少なすぎるせいで人に勧めるのもしつらかったけど、万人ウケする内容でもないし、もっと大々的に宣伝しろって言うのも違うんだろうな

 

ラドクリフすげえよ、マジで

 

音楽の使い方がはちゃめちゃに好きで、サントラと繋げてキャラクターが歌い出すところがいいし、ところどころミュージカルっぽく思ったのもいい。

 

遭難して死にかけても、嬉しくても悲しくても、人って歌い出すんだよなという哲学を見せてくれたのが嬉しかった。no music no lifeだからね

 

メニーが急に喋り出すし急に万能になるし勃起力がクソやべえけど、わたしはその唐突さについて行けた。これに取りこぼされる人もきっと多いから万人ウケしないんだろうなって思った。でもこのタイプのやつって、ついて来られなかった人が負けなんじゃないかなって思うけど

 

おならでバイブレーションし出した時はシリアスな笑いなのか?笑っていいのか?って困ったんですけど、それを推進力にして水上バイクみたいになったとこでもう耐えられなくてククク…ってなってた。映画館では静かにしたいからね

 

でもそのうち慣れておならは当たり前だから(?)笑わなくなりますからね、でも下ネタ大好きな中学生だから勃起はしんどいくらい笑う

 

ハンクがサラのふりしてメニーにやる気出させるけど、男女(仮)二人っきりだからちょっと変な雰囲気になっちゃうけど、ハンクもメニーも相手が誰なのかちゃんと演じてる役とは違うってわかってたから、きっとこの時のハンクに取って、過去も記憶もないメニーに取っても、男も女もなかったんじゃないかな。人は人を好きになるのであって、性別を好きになるんじゃない、みたいなのが見えた。友情は確かにあったし、恋にも似た何かもあったはずなんだよ、勘違いの可能性が大きすぎるし状況のせいだったけど

 

まあメニーは女の子のサラとセックスがしたくてめっちゃがんばってましたけどね

 

クマ嫌い、マジ無理。三毛別のバーサーカーオチかよって死ぬほどビビったけど違ったのでよかった。違くなかったらこの映画好きじゃない。

 

やっとサラの家の庭にたどり着いた時、メニーがサラにドン引きって態度されて傷ついたとこがめちゃくちゃ辛くて、泣き所です

 

今までは森の中で、世のしがらみを語るハンクをメニーが、過去も記憶も常識もないからそれを否定したりしてたのに、実際のサラに会って、要は現実を知ったことで、メニーもこっち側になっちゃったんだよね、非日常から日常への境目はここだったはず

 

サラにぼくが君のこと好きだったって言わないでって言ったっきり喋らなくなった(はず)メニーが本当に悲しくて無理。サラを好きって気持ちで2人は生き延びてここまで戻ってきたのに、常識とか恥ずかしさとかでそれをなかったことにするのか、するしかないのか

 

そこからハンクがメニーの体を引っ張ってまた森に戻ろうとするけど、一旦現実に戻ったからには2人だけの世界はもうありえなくて、日常の住民にその痕跡を見られることで余計否定されて行くよう感じた。あれは全部ハンクの妄想だった系の解釈をしてる人はきっとここで勇気付けられたはず。

 

最後にメニーがまたおならで大海原に漕ぎ出すシーンは、こんな世界じゃ生きていけないメニーがハンクを見捨てたようにも見えるけど、こんな世界で生きて行くしかないハンクはそんなメニーを誇らしく思ってそうだからその後の人生が心配ですね。

 

あとこのシーンがあっても、全部妄想だった説は完全否定できないんじゃないかなと思う。そういう目的はなかったはず

 

わたしはハンクとメニーの摩訶不思議アドベンチャーは確かに存在したって信じてる派で、あれは魔法みたいな、奇跡みたいな何かで、でも魔法は解けちゃうもんだし、大人(広義的)に魔法はかからないんだよね