映画について

見た映画の感想を雑に書き綴ります。ネタバレに対する配慮しない。見てねってより自分向け見た人向け やる気がないのでお休みしてます

Hidden Figures(ドリーム)

映画の感想を書き留めておこうと思っていたが、この映画を見た後にやっと決心しました。

 

日曜日に日本橋で見てきた。ファーストデーだったからってのもあるけどほぼ満席でうれしかったです。

 

テーマが軽いものじゃないし世界は残酷だからノンフィクションか綺麗にハッピーな内容なわねなかったけど、見た人に勇気を与えようって映画だったと思う。


数学や物理の知識は全然いらんけど、60年代のアメリカでなにがあったのかは知っとくべきですね

 

今回は感想っていうかもう荒くないあらすじだよねってくらい細かく書いてます


最初にあった飛び級で高校生になったキャサリンが前に出て問題を解くシーン、懐かしい何かがよみがえって苦しかったね…
2次式3次式の積が0になるやつ、高3の時にやりましたね

 

主人公の1人、メアリー役のジャネール・モネイの顔がめちゃくちゃ好き、超かわいい、高飛車な態度も好き、着てる服もカラフルでかわいかった

 

あとマハーシャラ・アリも出てたからムーンライトを思い出したね。時代背景も扱ってるものも全然違うからあれだけど、ムーンライトのがしんどかった

 

そのマハーシャラが演じるジムに「女がNASAで数学なんかやってんのかよ(意訳)」って言われた時に、キャサリンが吐き捨てた「NASAがわたしたちを雇ってるのは職場の花だからじゃなくて、わたしたちが眼鏡をかけてるからよ」ってセリフが超〜〜〜〜〜〜好き最高かっこいい

 

上のチームに計算係として抜擢されたキャサリン(タラジ・P・ヘンソン)が女だから、黒人だからって周りの男たちにジロジロ見られるし、偉そうな態度取られるし、これいじめだよなって感じのことされるの見てて辛かったし、それらに対して映画の主人公らしく、かっこいいセリフ言って跳ね返すみたいなこと全然しないから、問題の深刻さが見えた気がする。差別していいって法律で決められてる国に生きるってこういうことなんだよなって

 

そのチームのある建物には黒人(colored)女性トレイがないから、一々800メートルも離れたトイレに行かなきゃいけないってのも衝撃だった。トイレが法律で分けられてたのは知ってたけど、ただ知ってるだけ、知識があるだけだった


この映画、音楽もめちゃくちゃいいんだけど、キャサリンがファイルいっぱい抱えてトイレに走るシーンで必ずご機嫌なR&Bが流れる

 

キャサリンが借り出されてるチームのリーダー(ケビン・コスナー)は結構リベラルな人で、使える奴は使えるって態度でキャサリンに接してたけど、それでもトイレのことはわかってないから毎日毎日どこ行ってんだよってキレたらキャサリンに逆ギレされるんだけど、もう悔しくて悔しくて、そこで泣いてしまったわ

 

その後にリーダーが黒人チームのトイレの札をぶっ壊して、「ここNASAでは小便の色はみんな同じだよ!(意訳)」って言います、かっこいい

 

メアリーが技術課的なとこに呼ばれて、最初に点検実験を見に行って、ヒールが床の隙間にハマって抜けなくなった時、これ逃げ遅れたら死ぬだろって場面なのに、ダメも出てきて彼女を助けるとか、実験止めるとかしないんだなってのが辛かった

 

同じチームにいるユダヤ人の技術者に、もっと上の職を目指しなよって勧められた時に、メアリーが「わたしは黒人の女だから身の丈に合わない夢は見ない(意訳)」って言うんだけど、メアリーって登場した時から高飛車な感じで自信満々!な感じだったからこんなこと言ったのが意外だったし悲しかった

 

その後にユダヤ人のおじさんが言った「わたしたちはみんな夢を生きてる(意訳)」がめちゃくちゃ好きです。わかる

おじさんはポーランド人で、家族をみんなナチスに殺されたんだよね

 

乗り気じゃなさそうだったメアリーは結局技術職を目指すんだけど、それを夫から自分が言ったのと似たような理由で反対されるんだよね。でも夫は公民権運動の支持者でゆっくり変えてこうっていうより革命しようぜ!って態度だったからキング牧師派よりはマルコム・X推しだったのかな、わからん

 

でも数学と物理の学位持ってるメアリーは大学でなんかの講座を受けてなかったからって理由で技術者講座の受講を拒否される。近くの高校で受けてもいいよって説明書に書いてあったけどその高校は白人のための学校だった。そこで裁判所に特例を認めてもらうことにしたんだけど、そこで判事にメアリーがしたスピーチがはちゃめちゃに好き


100年後まで有意義である案件はなんなのか、これはあなたが先例を作るチャンスなんだ!って


映画によくある説得力ましましスピーチ大好き

 

主人公3人のリーダー的なポジションにあったドロシー(オクタヴィア・スペンサー)がマジでリーダーシップ強くて超かっこいい。手計算で全部やってた時代にパソコンがNASAに運び込まれて、このままだと計算係の女性たちが職を失ってしまうってのを見越して、プログラミングの本を読み出して、IBMの勉強してチームの子たちにそれを教える。結局ボタンを押すのは人間だからってわかってたんだよね。この人の先見の明のおかげでみんな職を失わずに済んだし昇進したし、マジで上司はこの人がいいって感じでした。

 

ドロシーが同じ職場にいる白人女性の和解を求めるような「あなたに差別とか持ってないよ(意訳)」を言われた時に、「わかってます、あなたがそう思い込んでるのは(意訳)」って言い返すんだけど、ここすごくいろんな人に刺さったんじゃないかな。リベラル気取りの白人って未だにネタになる(?)し、そもそも人間って完全には差別や偏見から解放されないからね。わたしもリベラル気取りたい側の人間だから考えさせられるシーンだった。

 

あと、ここの字幕、ちょっとわかりづらいと思います

 

時代は確実に動いてたけど、当事者の人たちががんばったおかげで、正しいことをした人たちのおかげで、時代は変わって、その先に今があるんだなって思いました

 

この映画が去年アメリカで一番伸びたんだよな、学校で先生たちが子供たちに勧めて、大人が子ども連れてって、黒人の人たちもいっぱい映画館に行ったからなんだよなって思うって、エンドロールの前に謎な誇らしさを感じました

 

だからこそドリームって邦題をつけた映画配給会社が許せない気持ちが余計膨らんだ。

ちゃんと見た?たしかに原題のニュアンスをそのまま日本語にするのは難しいけど、ちゃんと考えた?この映画で妥協して欲しくなかったですね。最初に付いてた副題の件を思えば、ちゃんと見て考えてやったんなら本当に頭が悪い。劇場の少なさもなめてるだろって、見たあとに怒りが増大する