ナチュラルウーマン
頭おかしいからデトロイトの後に見たんですけどめちゃくちゃ傷つくわ
劇場少なくてわりと諦めてたけど柏のキネマ旬報でやってた
ジェンダー警察としてっていうかまともな現代人なら誰でも胸糞悪くなる話だった
最初らへんで見せられたマリーナとオルランドのラブラブっぷりがあったから後半のしんどさが際立つ
予告とかからマリーナが待ち受けてる困難を薄々知ってたから、え、この人死ぬの?つらいからやめて…ってなってた
チリのことはなにも知らないんですけどこんな感じの国なんですか?
カトリック国家だし先進国じゃないから仕方ないかもしれないけど、アメリカとかイギリスとかが同じテーマで映画作ったとしたら絶対出てくる「公正で正しい人」が最後まで現れなかったからめちゃくちゃ心細かった
でもマリーナはそんな心細さを感じてないみたいに強くて、原題の英語訳はFantastic Womanなんだけど、マリーナ本当にこの言葉が似合う人だった
ていうかこの状況、かなりありえるっていうか普通に起きてることだよね?
日本でトランスジェンダーの女性がパートナーの男を亡くした場合、この通りになるでしょ
この映画、差別と偏見の上で広がる話だけど、それに立ち向かうとかそういうのがテーマじゃなくて、愛がメインだと思う
マリーナは向こうの家の人たちに踏みつけられたけど、本人にとって大事なこと、果たしたい目的はオルランドに別れを告げることだけだったから、そのほかの外野は本当にどうでもよかったんだよね
彼女が傷ついてなかったってことは絶対にないけど、我々観客が気にしてたほど彼女は気にしてなかったと思う
もっと言い返せよとか、弁護士呼べよとか、アメリカ人だったらもう法廷に持ち込んでるぞとか思いましたけどね
最後のキスをして、ちゃんとさよならできたから、そこから本当に新しいページを捲ったんだと思う
かっこいいスーツ着て歌う彼女の目には力強さがあったし、歌の歌詞にあったのは恨みや嘆きじゃなくて愛だったから